明治・大正・昭和前期児童文学関連雑誌目録
立川市中央図書館 児童資料室
明治・大正・昭和前期児童文学関連雑誌目録
序
平成7年1月に、立川市の9館目の図書館として中央図書館が開館して、早くも2年がたちます。この間、多くの皆さんにご利用いただいてきました。
こどもの本のフロアの一角を占める児童資料室も、調査研究とこどもと本の出会いの援助をすることを目的として、研究書やこどもの本のリスト・ガイド、雑誌、絶版書などを収集し、地域のお母さん方を初めとして、児童文学や保育を学ぶ方々などにご利用いただいております。
このたび、児童資料室の雑誌のコレクションの中核をなす、明治・大正・昭和前期の児童文学関連雑誌について、目録を刊行することになりました。
この目録には、古くは明治10年創刊の「頴才新誌」から、「少年世界」「赤い鳥」「少年倶楽部」「童話」など、児童文学史の流れを知ることの出来る資料や当時の世相を垣間見ることの出来るものなど、123タイトル約1,700冊を収録しています。内訳は、明治期22、大正期21、昭和期(戦前)39、(戦後)41タイトル。内15タイトルは複製版です。
資料の保存状態などから、閉架資料としていますので、この目録をご活用いただき、広く学習、研究のお役に立てれば幸いです。
なお、このコレクションの、複製版等を除く107タイトルは、児童文学者 乙骨淑子(おっこつ よしこ)氏が長年に渡り集められたものです。
乙骨淑子氏は1964年発表の「ぴいちゃぁしゃん」で厚生省・児童福祉審議会推せん図書、特別賞を受賞、以後「八月の太陽を」「十三歳の夏」などを出版し、児童文学界で活躍されましたが1980年に51才で逝去されました。残されたコレクションを、一線の公共図書館で活用してほしいというご遺族の意思により、立川市図書館に寄贈いただきました。ここに感謝の意を表するものであります。
また、あわせて、乙骨淑子氏著作69点、児童文学、児童文学研究書710冊も寄贈いただきました。この内、乙骨淑子氏著作について、同氏の寄贈による資料を中心とした所蔵目録を巻末に附してあります。あわせて、ご活用いただければ幸いです。
平成9年3月
立川市図書館長
吉 岡 正 生
この目録は平成9年(1997年)3月に発行された冊子版を改訂しWEB版として平成15年3月から公開しているものです。
凡 例
1.収録の範囲
この目録は、立川市中央図書館の児童資料室の蔵書のうち、明治・大正・昭和前期に出版された雑誌とその複製版について収録したものである。昭和前期とは、概ね昭和30年代までを範囲としている。
収録数は、123タイトル(内複製版15タイトル)である。出版年の内訳は、所蔵初号明治期22タイトル、大正期21タイトル、昭和期(戦前)39タイトル、(戦後)41タイトルである。
2.配列
誌名の五十音順に配列した。濁音、半濁音は清音と拗音、撥音は直音と見なし、長音符は無視し、週刊等の刊行頻度を表す語は除いて配列した。なお、誌名が同一のものは出版者名により配列した。
3.記載の内容
誌名、版次、複製版出版年、出版地、出版者、刊行頻度、所蔵号数、所蔵期間、注記の順に記載した。
4.出版地、出版者、刊行頻度は所蔵の初号を情報源とした。
5.この目録にある資料は複製版を除き、館内(4階)閲覧とし、原則として、複写はしない。
※複製版でも資料状態によって同様の扱いとなります。
乙骨淑子著作所蔵目録
目次
凡 例
1.収録の範囲
この目録は、児童文学者 乙骨淑子氏の著作の内、同氏の寄贈による資料を中心とした立川市図書館で所蔵する資料について収録したものである。
2.配列
単行本、逐次刊行物、その他、関連資料に分け、出版年月の順に配列した。
3.記載の内容
単行本:書名、シリーズ名、出版者、出版年、注記
逐次刊行物:著作シリーズ名、著作タイトル、誌(紙)名、巻号(通巻)、出版年月、注記
の順に記載した。
4.この目録を作成するにあたり、「乙骨淑子の本 第8巻」理論社1986の『乙骨淑子・年譜・著作目録』を参考にした。同目録に記載のないものには※印を付けた。
単行本
「ぴいちゃぁしゃん」
(ジュニア・ロマン・ブックス) 理論社 1964
「八月の太陽を」
(理論社のジュニアライブラリー) 理論社 1966
「こちらホポーロ島応答せよ」
(母と子の図書室) 太平出版社 1970
「十三歳の夏」
(あかね創作児童文学) あかね書房 1974
「ぴいちゃぁしゃん-ある少年兵のたたかい-」
(理論社名作の愛蔵版) 理論社 1975
「ぴいちゃぁしゃん」
(理論社名作の愛蔵版 特装版)理論社 1977
「合い言葉は手ぶくろの片っぽ」(岩波少年少女の本) 岩波書店 1978
「八月の太陽を」
(理論社名作の愛蔵版) 理論社 1978
「ピラミッド帽子よ、さようなら」(理論社の大長編シリーズ) 理論社 1981
「八月の太陽を」
(日本の児童文学) 理論社 1977
「乙骨淑子の本 全8巻」理論社 1985~1986
「L'ETE DE MES TREIZE ANS 」
Coulom,Nicole 訳 EDITIONS MESSIDOR/LA
FARANDOLE 1987
「十三歳の夏」(1974)のフランス語版
「LA TRAVERSEE DU PEGASUS-MARU」
Coulom,Nicole 訳
Slocombe,Romain 画
Hachette 1991
「合い言葉は手ぶくろの片っぽ」岩波書店(1978)のフランス語版
「合い言葉は手ぶくろの片っぽ」(岩波少年文庫) 岩波書店 1996
逐次刊行物
「死と壁をよんで」
「麓」6号 1954.3 (友の会)※
「青い空」
「にじ」2巻1号 1956.1
(児童文学勉強会)
「年貢米」
「にじ」2巻2号 1956.3
「ちごいるか」
「にじ」2巻4号 1956.7
「“赤とんぼ”を手にして」
「児童文学勉強会会報」19号 1956.8
「『にじ』二周年をむかえて」
「児童文学勉強会会報」22号 1956.10 ※
<書評>「『霧の町』-壺井栄著-をめぐって」
「にじ」2巻6号 1956.11
「一九五七年をむかえて」
「児童文学にじの会会報」25号 1957.1 ※
「白い花」
「にじ」3巻2号 1957.3
「太田博也小論-風ぐるまを中心にして」
「日本児童文学」4巻5号1958.6(日本児童文学者協会)
<ずいひつ>「“死の門”の詩より」
「女性佛教」3巻8号 1958.8(世界仏教協会)
「現地調査団に参加して」
「子どもらの明日を守ろう」(「こだま」特別増刊号)1958.8
「児童文学における創造性」
「文学」27巻3号 1959.3(岩波書店)
「沖縄・宮森小学校の惨禍から」
「日本児童文学」5巻8号1959.9
<新人評論>「児童文学と作家の主体性」
「児童文学評論」2年3号1959.12 (児童文学評論社)
<中学生の読書1>「一粒の種子の意思を」
「国語通信」29号 1960.3(筑摩書房)
<長編合評座談会>「新人の課題について」
「日本児童文学」6巻3号 1960.4
「土着の思想の創造を-最近の長編小説から」こだま児童文学会・少年文学研究グループ
「日本児童文学」7巻2号 1961.2
<読みたい本・見たい本>山中恒『とべたら本こ』ケストナー『点子ちゃんとアントン』
[「中学一年コース」4月号1962.4](ゲラ刷)
<座談会>「児童文学運動の今日的課題」
「日本児童文学」8巻4号 1962.5
<読みたい本・見たい本>佐藤暁『だれも知らない小さな国』ファーブル『化学のふしぎ 上・下』
[「中学一年コース」5月号 1962.5](ゲラ刷)
<読みたい本・見たい本>竹節作太『ヒマラヤのなぞ』E.B.ホワイト『こぶたとくも』
[「中学一年コース」6月号1962.6](ゲラ刷)
「ぴいちやあしやん<筆架山>(13)」
<同人雑記>「こだま」46号 1962.7
<読みたい本・見たい本>今江祥智『山のむこうは青い海だった』リュートゲン『おおかみに冬なし上・下』(ゲラ刷)
[「中学一年コース」7月号1962.7](ゲラ刷)
「日本児童の変革史(2)」
<同人雑記>「こだま」48号 1962.11
<座談会>「女の状況」
「思想の科学」11号(47)1963.2
「日本児童思想史序説-子どもに影響をあたえたものを中心に」
「思想の科学」16号(52)1963.7 ※
<同人雑記>
「こだま」53号 1963.9
<書評>大野允子等『つるのとぶ日-ヒロシマの童話』
「日本児童文学」10巻4号1964.4
<戦争体験のゆくえ>「さまよえる亡霊-日本と中国の戦争体験」
「思想の科学」29号(65)1964.8
「児童文学のエネルギー」
「児童文学評論」6号復刊号1964.10
<同人雑記>「草と太陽の合評会について」
「こだま」63号 1965.5
「小川未明ノート-文学革命のゆくえ」
「文学」33巻5号 1965.5
「それは私にふりかかってくる」
「子どもらの明日を守ろう」(「こだま」教科書問題増刊号)1965.7
「風そよぐ島(最終回)」
「教科書検定訴訟について」
<同人雑記>
「こだま」64号 1965.7
「秋田雨雀」
「日本文学」14巻11号 1965.11 (未来社)
「わたしは許さない(2)」
<同人雑記>
<編集後記>
「こだま」66号 1965.11
「わたしは許さない(3)」
<同人雑記>
<編集後記>
「こだま」67号 1966.1
<日記の思想七>「戦時下日記」
「思想の科学」47号(83)1966.2
「わたしは許さない(4)」
<同人雑記>
「こだま」68号 1966.3
「大きな山男のくつ」
「2年の学習」20巻3号(6号)1966.6
「すなのなかにきえたタンネさん」
「こだま」70号 1966.10
「タンネさんうみへでる」
「こだま」71号 1967.1
「タンネさんゴゲラになる」
「こだま」72号 1967.3
<上演劇評>「ぬいぐるみ人形劇を観て」
「テアトロ」34年5号(285)1967.5(テアトロ)
<同人雑記>
「こだま」73号 1967.5
「こちら・ポ・ポーロ島・応答せよ」
<こうこく?こうこく?>
<同人雑記>
「こだま」74号 1967.7
<求理提句>「明日へのおそれ」
「クリティーク」1巻8号1967.8(近代思想研究協会)
「『武家の女性』を読んで」
<ズーム・レンズ>
「思想の科学」65号(101)1967.8
<児童文学 人と作品39>「太田博也」
「週刊読書人」1967.9.18
「こちら・ポ・ポーロ島・応答せよ(2)」
「こだま」75号 1967.10
「こちら・ポ・ポーロ島・応答せよ(3)」
<編集後記>
「こだま」76号 1967.12
「こちら ポ・ポーロ島・応答せよ(4)」
<編集後記>
<同・人・雑・記>
「こだま」77号 1968.2
「ネクタイのきらいなキリン」
「こども部屋」10巻4号1968.4(こども部屋社)
「こちら ポ・ポーロ島・応答せよ(5)」
「こだま」78号 1968.4
「こちら・ポ・ポーロ島・応答せよ(6)」
<同人雑記>
「こだま」79号 1968.6
「タンネさんさるがしまへ」
「こども部屋」10巻12号1968.12
「こちら ポポーロ島 応答せよ(7)」
「こだま」81号 1968.12
「タンネさんゴキブリたいじへ」
「びわの実学校」33号1969.2(びわの実文庫)
「タンネさんとそらいろのこな」
「こだま」82号 1969.6
「ふたりだけの場所」
「こだま」83号 1969.8
「貴重な資料の発掘-国会図書館の死蔵児童書について」
「日本児童文学」15巻10号 1969.10
「ふたりだけの場所(2)」
「こだま」84号 1969.11
「ふたりだけの場所(3)」
「文体について」
<同人雑記>
<編集後記>
「こだま」85号 1970.1
「ふたりだけの場所(4)」
「こだま」86号 1970.3
「ふたりだけの場所(5)」
「こだま」87号 1970.7
「ふたりだけの場所(6)」
「こだま同人寸言集」
「こだま」88号 1970.10
「ふたりだけの場所(7)」
「こだま」89号 1970.12
「ふたりだけの場所(8)」
「こだま」90号 1971.1
<のーねくたい>「インドの子ども」
「思想の科学」117号(197)1971.6
<児童文学時評>「問題はまた 『児童文学とは何か』へ」
「学校図書館」249号1971.7(全国学校図書館協議会)
<編集後記>
「こだま」92号 1971.9
「石森延男の場合」
「日本児童文学」17巻12号 1971.12
「タンネさんとはなちょうちん船」
「こだま」93号 1971.12
「戦後(昭和二O年代)に活躍した作家たち-国分一太郎の場合」
「日本児童文学」18巻1号1972.1
「海はしっている(1)」
「こだま」94号 1972.5
「高層ビルの谷間に」
「文学・教育」7号 1972.5(明治図書出版)
<アンケート>「わたしの好きな絵本」
「児童文学1972」1 1972.6(聖母女学院短大児童教育科)
<私はこう考える>「那須田問題について」
「日本児童文学」18巻11号 1972.12
<一冊の本>「あおくんときいろちゃん」
「児童文学1972」2 1972.12
「消えた三階」
「『こだま』との出会い」
<編集後記>
「こだま」95号 1972.12
「書信-退会届」「復信」
「児文協の旗」6号 1973.3(日本児童文学者協会)
「パパちゃん先生」
「4年の学習/科学・読み物特集号」 1973.9
<書評>「二つの“おもしろさ”のはざま-『フランバース屋敷の人びと』三部作をめぐって」
「子どもの館」2巻3号(10)1974.3(福音館書店) ※
「ぼくのたからもの」
「2年の学習/かがく・読み物特集号」 1974.8
「創作児童文学のさまざまな表現形態」
「児童文学読本」(日本児童文学別冊21巻2号)1975.1(すばる書房)
「まいにちがたんじょうび(1)」
[「小学三年生」4月号1976.4](ゲラ刷)
「まいにちがたんじょうび(2)」
「小学三年生」5月号1976.5
「まいにちがたんじょうび(最終回)」
「小学三年生」6月号1976.6
<同時代観>「『行きがい』ということ」
「思想の科学」67号(275) 1976.10
<同時代観>「『みすごし』ということ」
「思想の科学」69号(277) 1976.11
<同時代観>「『償うてェ』ということ」
「思想の科学」70号(278) 1976.12
<同時代観>「『ことばをかわす』ということ」
「思想の科学」71号(279) 1977.1
<同時代観>「『ますらおぶり』ということ」
「思想の科学」72号(280) 1977.2
<同時代観>「『たおやめ』ということ」
「思想の科学」73号(281) 1977.3
<随想>「“任怨”ということ」
「風の子」16 1978.5(劇団風の子)
<エッセイ=いぬいとみこの人と作品>「水色のコップのこと」
「日本児童文学」24巻10号 1978.9
<今江祥智・人と作品PART・2>「假面の求道者・今江さん」
「月刊絵本」7巻1号 1979.1 ※
「戦争体験の作品化-体験と切りはなした虚構の世界」
(初出「日本読書新聞」1966.5.16)
「現代児童文学の争点(13)」(初出「週刊読書人」1969.9.1) ※
「過渡期の児童文学」(資料・戦後児童文学論集3 日本児童文学別冊26巻10号)1980.7
「噴出するエネルギー」
(初出『児童文学と私』「ほるぷ新聞」1969.7. 25)
「作家117人が語る私の児童文学」(日本児童文学別冊29巻10号)1983.4
その他
「海底火山」
「子どものころ戦争があった -児童文学者と画家が語る戦争体験 」
あかね書房 1974
「すなのなかにきえたタンネさん」「リムのお月さま」 日本標準
「かえるのラーとせんちょうさん」「すなのなかにきえたタンネさん」「まいにちがたんじょうび」
「太田博也小論」
「日本児童思想史序説」
『乙骨淑子 人と文学』
「こだま」追悼号
「こだま」児童文学会編
「こだま」児童文学会 1981
関連資料
図書館報よこはま
No31 1966.2
利用者大会第二部会「子供に何を読ませるか」助言者 乙骨淑子
婦人新報 873号 1973.6
「児童文学による平和教育を(その2)『ぴいちゃあしゃん』-加害者と被害者」
高橋道子
『乙骨淑子 人と文学』
「こだま」追悼号
「こだま」児童文学会編「こだま」児童文学会 1981